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大井川鐵道 008

【元南海ズームカー 21000系】

【撮影:2007年1月20日 大井川鐵道沿線】

大井川鐵道を訪れた最大の目的はSL急行を撮影し、乗車することでした。それに次ぐ目的が、この元南海20001系だと言っても過言ではありません。

南海電鉄は、大阪難波から和歌山方面に、海沿いを走る南海本線と高野山に向かう南海高野線を中心に延びる鉄道です。最近は配色や車両に変化が見られるようですが、かつては本線が緑色のボディ、高野線がステンレス製の車体でした(考えたらステンレス車体は海沿いを走る本線に導入した方がよかったように思うのですが…)。
ただし例外もあって、高野線にも緑色の車体の車両が走っていました。それがこの21000系と、よくペアを組んでいた22000系です。

この21000系と同じ顔をした電車は本線でも特急「四国」号として活躍していました。あちらは比較的長い編成だったと思いますが、高野線では21000系2両+22000系2両で、急行運用に就いていました。
遠足などで阪和線から南海高野線に乗り継ぐ時、急行が止まらない三国ヶ丘駅にこの編成の急行が臨時停車した時なんて、結構うれしかったものです。

この21000系の魅力、なんと言ってもあの湘南電車「クハ86」と同じ顔をしていること。あの意匠は本当に人気があったんですね。

さて、大井川鐵道では他の車両同様、地域の足として頑張っています。京阪、近鉄と多様な「関西私鉄」の電車が走る中、もしかすると最大勢力がこの南海21000系なのでしょうか?
ずいぶん見かけることができました。
近鉄特急で川根温泉笹間渡駅に到着した後、福用まで折り返すための電車を待っていました。そこにやってきたのが21003と210004の2両編成。入線してくる様子は千早口以南を走っているかのようです。

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車内は南海時代そのまま。シートは転換クロスシートだったんですね。JR西日本の221系や223系では当たり前の装備ですが、こんなに古くからあったとは驚きです。読書灯や片開きのドアも健在です。

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車端部の窓にはステッカーが貼ってありました。近づいて見てみると、なんと、南海時代そのままじゃないですか!
ちゃんと「浅香山」「堺東」「三国ヶ丘」という見慣れた駅名が表示されています!平成5年ですから新ロゴに変わった直後ですね。

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福用にはすぐ到着。車体に付けられたプレートなどを見てみました。
この車両は昭和33年に造られています。50年近くも前の車両、よく頑張っています!

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丸いヘッドマークだったら当時の雰囲気がもっと再現できるのになぁと思いつつ、金谷へ向かう列車を見送ることにしました。

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福用のお立ち台では、川根温泉笹間渡から福用まで乗車した21003+21004の、金谷からの折り返し便を撮影しました。17m級の車両。こうして見るとコンパクトですね。
クハ86に由来するこの顔、今でも日本のどこかで走っているようですが、この色のこの顔であれば、大井川鐵道のような山あいの場所が似合っている様に思います。

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福用のお立ち台での撮影を終え、千頭に向かう列車を待っていると、次にやってきたのも21000系。21001+21002の編成でした。
元近鉄420系を待っていたので少し残念でしたが、それでも今や貴重な車両です。

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ワンマン化改造が施されている点を除けば、ほとんどオリジナルを保っている車両ですが、優先座席のラベルもそのまま、ビックリです。
そして懐かしい南海の旧ロゴ。私の中では南海のロゴはこのロゴのままなんです。

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沿線には茶畑が広がっていました。この景色は南海高野線沿線で見ることはできませんね。

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千頭駅に停車している21000系。現在は南海の旧型車両も塗装が変更され、緑色ベースの車両を見ることはできません。
大井川鐵道に移籍してきた21000系も末期にはいわゆる「新塗装」に塗り替えられたり、ここに停車している21001と21002は、南海時代に「塗装比較試験」としてラピートの青い色に塗られたこともあるようですが、入線に際してこの旧塗装に戻されたということです。

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大阪や和歌山の山間部とは違う風景に留まる、「オリジナルに近い」ズームカー。

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駿河徳山駅の雰囲気ともピッタリでした。

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そして、車体と同じ緑色の山間部へ向けて出発していったのでした。

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