湯沢で稲庭うどんを食べ、新庄で奥羽本線や山形新幹線の列車を撮影したりしながら、国道13号線をのんびり南下してきました。
時刻は15時すぎ。湯沢を発って3時間少々かかったことになります。
この日訪れたかった場所、山寺(立石寺)に到着しました。
山寺というと松尾芭蕉の句で有名ですね。
東北というと、いつも一気に青森へ行っていました。今回も三連休になっていたら同じだったでしょうね。
ところが今回は二連休。このスケジュールで青森の先端まで行くことは非常に苦しいのです。
ならば、南東北でどこかいい場所がないか探したところ、宮城の松島とここ山寺を訪れることを思いついたのです。
車を停め、正面にある階段を昇ります。
まずは本堂(根本中堂)にお参りをしました。
今回こうして東北を訪れることができたことを感謝し、ここから先の旅の安全を祈願しました。
境内には松尾芭蕉の句碑が残されています。
「閑さや巖にしみ入る蝉の声」の句は1689(元禄2)年に詠まれたと伝えられていますが、この句碑は1853(嘉永6)年に立てられたんだそうです。
山門にやってきました。ここから奥の院を目指しましょう。
一応人が通れるように整備されている山道を登っていくと、大きな岩壁に入りました。
弥陀洞(みだほら)といって、見ようによっては阿弥陀如来にも見えるそうです。ここは、誰かが手で彫り上げたのではなく、自然の浸食によって作り上げられた造形なんだそうですよ。
実際にこの目で見たこの場所、言われてみればなーんとなく阿弥陀如来のお姿に見えたような気が…
そこからすこし歩くと、仁王門にたどり着きます。
奥の院へはまだ少しあります。
さて、仁王門をくぐり、さらにどんどん奥へと足を進めました。
いつのまにかとても高い場所まで昇っていたんですね。
遙か下の方には、山々の合間にひしめくように延びる集落も見えます。
山国、日本列島。これだけでもよくわかります。
ずっと先には低く立ちこめる雲も見えていますね。なんだか不思議な景色です。
修行の岩場
とても危険な場所で、かつては滑落者もあったらしく、現在では修行者以外立ち入り禁止なんだそうです。それでも、ここにたどり着くことができて、無事に戻ってきた人たちは、精神的にとても強くなられたことでしょう。
奥の院を後にしました。昇る時に立ち寄らなかった場所を散策しながら、ゆっくり下山していきます。
視線の先にお堂が見えました。
赤い建物はお経を納めた納経堂、右側は開山堂だそうです。開山堂の脇に登り階段が見えます。ここを昇ると五大堂があります。
五大明王を祀るお堂なのですが、ここからの景色がまた絶景なのです。
今回、山寺を訪れたかった理由のひとつは、この景色だったのです。
五大堂でしばらく絶景を堪能した後、この場所を離れました。もと来た道を下っていきます。
この道はうっそうとした森の中。日が少し傾いただけであたりは薄暗くなってしまいます。
ところどころ、こんな大きな杉の木も空に向かって伸びています!
麓に降りて、あるものが目に入りました
力こんにゃく!
玉こんにゃくを3つ串に刺して、醤油で煮たものです。辛すぎず、なかなかイイお味です!
ちなみにこの写真は、ひとつ食べてしまった後です(苦笑)
境内から外に出て、仙山線の山寺駅に向かいました。
ふと山寺方面に目をやると、そこには五大堂を見上げることができます。
あんなところに建っていたんですね。まるでお堂を建てるのも修行のひとつじゃないかと思うほどです。
あの場所から眺める景色は絶景でしたが、下から見上げる光景もまた素晴らしい景色です。
趣のある山寺駅の駅舎。こぢんまりとした駅ですが、観光客で賑わっていました。
そして駅の近くには宿泊施設。
いい雰囲気ですね。この日は夜のうちに仙台駅まで向かう予定を組んでいたのですが、時間の都合があえばここに宿泊するのも良さそうです。
あっという間に日が沈んでいました。
ここから仙台に向かうわけです。特に急ぐ必要もなかったのですが、できれば温泉くらい立ち寄りたい…
ということで色々調べてみました。仙台方面直行なら山形自動車道に乗る、そうでなければどのルートがあるか…
そうして調べた結果、作並温泉を経由するルートを選びました。ここにあるホテル、事前に電話連絡をしておけば、宿泊をしなくても温泉を利用できるのです。
入湯料は少し高かったのですが、ゆっくり過ごすには悪くなさそう。しかも仙台駅まで一般道を経由する途中。
生憎、作並温泉までの道中、夜の帳が降りてしまったので、画像はありませんが、丸1日車を運転して疲れた体を休ませるにはちょうどいい場所でした。