碓氷峠鉄道文化むら 011
【鉄道黎明期の客車群】
【撮影:2006年10月9日 碓氷峠鉄道文化むら】
10系より古い国鉄の旧型客車というと、青か茶色というイメージがあります。
ここで展示されていた、戦争前後に活躍していた旧型客車は茶色です。
リアルタイムに乗車したことはありませんが、どことなく懐かしさを感じるのはなぜでしょう?
これは昭和2年に落成したスニ30という荷物車です。
「鉄道省」のプレートが取り付けられていました。今は国土交通省の一部門ですか?
ダブルルーフにリベット止めの車体がいかにもという雰囲気を残していますが、台枠(車体の下、台車と台車の間?)にも「魚腹形台枠」という特徴があるようです。車体は鋼製ですがドアは木製なんですね。
今度は、昭和23年に進駐軍のために造られた一等寝台車、マイネ40です。
こちらの銘板は「運輸省」となっています。「日本国有鉄道」ではないんですね。
当初進駐軍のために造られたということもあり、窓下のラインに「J.G.R.」の文字が入っています。
このマイネ40,一等寝台車という最上級の客車であったこともあってか、風格が伝わってきました。。
昭和30年に客車としては「二等寝台車」扱いとなり、格下げされたそうですが、それでも最高峰の車両であった「プライド」は残っていたのでしょうか?
現代における優等列車からは感じられない、威厳というか重厚さがありますね。北斗星やトワイライトエクスプレスの24系25形、カシオペアのE26系、確かに豪華列車ではあるのですが…
かつて、国鉄では荷物輸送や郵便物の輸送にも携わっていました。
その当時活躍していた「三等郵便荷物合造車」。たとえばここに展示されているオハユニ61。
まずは客室部分、客室のブラインドが木製で、いささか「銀河鉄道999」に出てくる旧型客車のようです。
中に入ってみました。座席も木製。必ずしも座り心地はよくなさそうですが、飴色に輝くニス塗りの座席は、かつて様々な場所で先人たちを運んだことでしょう。
車内には古い広告がありました。「一枚のキップから」の標語、懐かしいですね。
そしてこの車両は、三等座席の他に郵便室と荷物室とがあるのです。
今でこそ郵便や荷物の鉄道輸送は廃止されましたが、高速道路網や航空便が未発達だった時代には鉄道による輸送が主流だったようです。郵便室や荷物室、写真でしか見たことがありませんでした。
郵便室では仕分けも行われていたんだそうです。物流の拠点ですね。
by mickie